<<過去に開催されたとっておきの朝食会からゲストトークのエピソードを回顧録としてまとめています。>>
2015年6月のモーニングコーヒーととっておきの朝食会のゲストは
天然酵母のパン講師 佐藤美穂 さんでした。
佐藤さんは、短大卒業後、一般企業でのOL生活を経て大手クッキングスクールの講師として活躍。
その後、独立をし料理教室を主宰します。教室の運営は順調でしたが、やがて酵母で作るパンに魅せられ、そこに特化することにし、独学で酵母で作るパンのレシピをつくっていきます。
もともとある、イースト菌でつくるパンのレシピを分解し、酵母におきかえたときにどうなるか、バターや卵を除いた場合どうなるか、トライ&エラーでつくりあげていく工程の中では、ときに、直接パン屋さんにいって、疑問点をぶつけたこともあったそうです。そうしてできあがった数々のレシピは、佐藤先生らしいおしゃれなデザイン性がありながらも、しっかりした理論に基づいた『誰でも焼きたいときに焼ける失敗なしの酵母パンのレシピ』に。
バターも卵もつかわないのに、こんなにふっくらおいしいパンが焼けるということであっという間に人気のパン講師になりました。
そんな佐藤先生には、よい食事とよい仕事との関係についてお話をしていただきましたが、参加者の方からこんな質問がよせられました。
パンがすきなら、パン屋さんになるという選択肢もあったのでは?
確かに、単にパンがすきならパン屋さんになるという選択肢もあったかもしれません。でも、あえてパンの講師になったのはこんな理由がありました。
パンは、自分の身近な人がつくったほうが一番おいしいと思う。だからこそ、自分の身近な人に毎日おいしいパンをつくって食べさせてあげられる人が世の中に増えていくほうがいいとおもった。だから、おいしいパンを作る人を増やしたくて、パンの先生という仕事を選んでやっています。
パンの中でも、特に酵母を使ったパンは、発酵の過程が重要なポイントとなります。この、発酵は、実は私達の身の回りにすでにある菌(常在菌)も影響を及ぼします。つまり、レシピどおりつくっても、厳密にいえば全く同じようには仕上がらないということになりますが・・・。地産地消という言葉があるように、その場所でつくられたものが一番おいしいという考えに基づけば、自分の身近な環境で作られたパンは一番おいしいという考えも納得がいきます。
話を戻して、私達は、小さい頃『大きくなったら何になりたい?』と聞かれたとき、
・お医者さん
・パイロット
・学校の先生
などと、単純に職業の名前を答えていたと思います。
つまり、最初からどういう肩書きになりたいか、そこを将来の選択肢として思い描いてきました。
でも、佐藤先生は、違います。
肩書きを選ぶのではなく、どうありたいか、先に『在り方』を先に決めました。
私達が何か願望を口にするとき、to have やto doは、比較的すぐに頭に思い浮かびやすい願望です。
あのブランドのバッグがほしいとか、ハワイに行きたい!とか・・・結構すらすらっとでてきますよね?
でも何よりも一番重要なのがto be、すなわち在り方だといわれています。
ブランドのバッグがかえて、ハワイに行けたとしても、自分自身がどう在りたいのか、どんな人間になりたいのか、そこが深堀りできていないと、結局目先の願望は満たされても心は満たされません。
佐藤先生は、パンの先生になるという目先の願望ではなく、先にどんな未来を描きたいのかを自問自答しました。その未来を思い描いたからこそ、そこからパンの先生という手段を選択し、今に至ります。
『自分自身の在りかたを問う』ってちょっと、固い印象ですが、でも、例えば、今、自分が何かやりたいこと、目指したい職業があるとして、そしたら、それに対して『なぜそれをやるの?』『どうしてそれを目指したいと思ったの?』などと、自分で自分に質問してみてください。(最低でも10個は質問し続けてみて!)
そうすると、自分自身がそれをやりたい、目指したいとおもった本当の願望がみえてくるとおもいます♪
【ゲストプロフィール】
Vida art bread school 主宰
佐藤 美穂
http://www.vabs.jp/
世界各国を放浪し、‘美味しいものこそ人を幸福にする最高のツール!’と気付いて食の世界へ…大手料理教室でパンの講師として食に関して色々と知識を広げていたなか、マクロビオティックに出会い‘You are what you eat=食べてるものが身体を作る’マクロビオティックの哲学的世界に感銘を受けマクロビアンに。 動物性のものや白いお砂糖を使わないパン…シンプルゆえにただ身体に良いのではなく、心も喜ぶパンつくりを!と2006年に赤坂にマクロビオティック的パン教室「Aude Sapere! Kitchen Works」を開校した後、2007年現在は富ヶ谷に場所を移転。名称も「Vida Art Bread School」と変更し、生活の一部である「食べる」って行為の不思議なパワーと両の手を合わせて瞑想するかのようにパンを捏ねる楽しみを伝えるべく、今は台所から食の世界を旅する日々。。。
【朝食メモ】
・ビーガンサンドイッチ(高野豆腐がはいった完全植物性のサンドイッチ、なのに絶品!の食べ応えでした。)
・天然酵母のマフィン
・バゲット
全て佐藤先生お手製の贅沢な朝食でした
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